埼玉県戸田市所在の「有限会社小林興業」(組合員)に入社して8年目を迎えるPHAM VAN NAM君(35歳|ベトナム国籍)が、1月26日付で「特定技能2号」の在留資格を取得しました。当組合の支援により、昨年は3人が「特定技能2号」へ移行しましたが、今回のNAM君を含めて合計2社4人を「特定技能2号」へ送り出すことができました。
NAMさんは、他の監理団体で技能実習修了後、2017年10月から当組合を通して外国人建設就労者として在留、2019年12月から特定技能1号に移行し、後輩ベトナム人の指導や通訳等を行いながら班長として活躍していました。2022年2月、技能検定1級に合格しましたが、この試験は、技能実習生向けの随時級とはちがい一般社会人向けのため、年1回しか実施されません。「実技試験は、私や職長の指導のもとで、約2ヶ月前の日曜日毎に練習を行いました。約2週間前には、制限時間の1時間40分以内に鉄筋の組立てと解体を繰り返し練習し、試験前は苦手な工程のみ練習しました。試験は2月、冬の戸外で行う練習は寒かったです。」と、小林専務は話します。
学科試験対策について尋ねると、「NAM君は、鉄筋組合主催の講習会に参加し、テキストをメモで埋め尽くし勉強していました。全国鉄筋工事業協会に、3年分の過去問のベトナム語訳を依頼、それを使って勉強し、わからないところは私が教えました。」と、ほぼ独学だったことを明かされました。
また、特定技能2号の要件を満たすことができた理由について尋ねたところ、「今回の技能検定1級の合格は、他の日本人従業員が受けていた実技試験対策の現場にも率先して参加してきたNAM君の強い意思と、後輩たちの通訳を行うことで身に付けた日本語力、そして班長としての責任感、8年にわたって培った技術によって、掴み取ることができたと思います。」と、語られました。
そして最後に、「NAM君の努力に対し、わたしも会社も感謝の気持ちでいっぱいです。今後も後輩たちの模範となるように精進をして欲しいと思っています。」と、締めくくられました。
事務局 園原 花枝
2022年11月22日に、技能実習と特定技能の両制度の改正を議論する有識者会議が設置され、古川司法制度調査会長が、今後の方向性について、次のようなお考えを公表しました。
「2つの制度を一本化し、技能実習を廃止することが選択肢になる。」
「技能実習制度は、入門編の役割を果たしてきたため、『特定技能0号』のような新たな位置付けを設けるのも一案になる」
「日本語や技能の上達にしたがって、希望者が特定技能にステップアップする姿が望ましい。」
「制度をシンプルにして、来日後の将来像を見通しやすくすることも重要だ。」
そして、12月14日に、有識者会議の会合がスタートしました。まずは、両制度を運営するわたしの立場から、二つの制度について、優れた点と問題点を分けてみたいと思います。
「外国人技能実習制度を見直そう!」というきっかけとなった記者会見が、2022年7月29日に行われました。
法務大臣だった古川貞久氏は、「技能実習制度は途上国の若者らに日本の技能・技術を学んでもらうことを理念としているが、人手不足を補う労働力として扱っている実態と乖離があるとの意見が出ている、と指摘し、長年の課題を歴史的決着に導きたい」と発言し、技能実習・特定技能の両制度について、6つの指摘を公表しました。
両制度を運営するわたしの立場から、6つの指摘を分析をしてみました。企業にも外国人材にも選ばれる制度見直しを願っています。
技能実習生が受検する技能検定と、特定技能1号等その他の外国人が受検する技能検定について仕組みについてまとめました。 今後、創設される可能性が高い「特定技能2号」を目指すうえでも、技能検定の仕組みを理解し、早めに対策を講じましょう。
岐阜県各務原市所在の「コンクリートポンプ株式会社」(組合員)に入社して9年目を迎える郝青松君(44歳|左写真:手前中央)が、9月26日付で「特定技能2号」の在留資格変更許可を受け、10月1日付で在留カードの交付を受けました。また、一時帰国中の武海明君(42歳|右写真:左から2番目)の許可も降り、10月20日の再入国後に在留カードの交付を受ける予定となりました。
郝青松君は、2007年に研修生・技能実習生として3年滞在、中国への7年の帰国を経て、2017年3月から外国人建設就労者として3年滞在、2020年3月からは特定技能1号として活動。武海明君は、2014年7月に技能実習生として来日し3年滞在後、外国人建設就労者へ移行し3年滞在、中国への1年の帰国を経て、2020年2月から特定技能1号として活動していました。
すでに、4月13日付で「特定技能2号」を取得した翁飛君に続き、同社には高度外国人材(1級技能検定合格・1級技能士)が3名誕生しました。中国への帰国期間も合わせて、郝青松君は15年以上、武海明君は8年にわたって、支え導いてくださった同社の加納副社長をはじめとする諸先輩の皆様には、心から敬意を表したいと思います。
副理事長 澤村 美喜