「外国人技能実習制度」は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とし、1993年(平成5年)に創設された国の制度です。
本制度は、民間企業における技能実習生への技術指導に加え、技能実習生の生活を取り巻く支援を通じて、長きにわたって人間社会の多様性と共有の大切さを育み、受け入れ企業と技能実習生双方の成長に貢献してまいりました。しかし、一部の企業による労働法令等の違反が常態化したことから、技能実習生の保護に関する日本政府の関与度の低さに対し、国際社会の批判を受けるところとなりました。
そこで、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図ることを目的に、2017年(平成29年)11月1日、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(以下「技能実習法」といいます。)が施行され、新しい「外国人技能実習制度」がスタートいたしました。
受け入れ先の日本企業(以下「実習実施者」といいます。)において、技術・技能・知識等(以下「技能等」といいます。)を修得しながら働くアジア等新興国の青年たちを、「技能実習生」といいます。技能実習生は、外国の送出機関を通じて事業協同組合や商工会議所等の「監理団体」が引き受け、その団体の会員企業である実習実施者が、技能実習生を直接雇用関係を結び技術等を教えます。
技能実習生は、技能実習の開始日時点では18歳以上であることが要件とされています。実習実施者のもとで修得した技能等を帰国後に発揮することで、自身の職業生活の向上や母国の産業発展に貢献することが期待できます。
当組合では現在、中国、ベトナム、インドネシア、インド、フィリピンの技能実習生を取り扱っています。(インド、フィリピンは、2024年7月1日から取り扱いを開始)
技能実習生に対し技能等の指導を担う「実習実施者」は、外国人技能実習制度の趣旨を十分に理解し、3年または5年の技能実習を行う必要があります。
「第1号技能実習」から「第2号技能実習」の合計3年間は、基礎的な技能等を効果的・効率的に修得等する必要があるため、同一の実習実施者において計画的かつ効率的に一貫して指導することが重要です。
実習実施者は、常勤の役職員の中から、技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員を選任すると共に、技能実習で使用する機械・設備・材料等を適切に配置し、適正な技能実習の実施に備えます。
技能実習を行うためには、あらかじめ「第1号」、「第2号」、「第3号」といった区分ごとに技能実習計画を策定し、外国人技能実習機構の認定を受けなければなりません。技能実習計画認定申請書は、あらかじめ監理団体の指導のもとで実習実施者が作成し、認定後はこの計画に基づいて技能実習を実施することが必要です。
技能等の習熟目標として、「第1号技能実習」は、技能検定・基礎級(技能検定が設定されていない職種は、技能実習評価試験・初級)、「第2号技能実習」は、技能検定・随時3級(同じく、技能実習評価試験・専門級)を取得します。
実習実施者は、どの段階の試験においても、技能実習生が合格できるよう計画的に指導を行う必要があります。
技能実習生の受け入れ人数は、常勤職員総数の20分の1という人数枠があります。ただし、監理団体を通じて技能実習生を受け入れる中小企業(常勤職員総数300人以下)の場合は、以下のような特例があります。
実習実施者の常勤職員総数 | 第1号技能実習生の人数 | |
---|---|---|
通常の場合 | 優良認定を受けた場合 | |
301人以上 | 常勤職員総数の20分の1 | |
201人以上300人以下 | 15人 | 30人 |
101人以上200人以下 | 10人 | 20人 |
51人以上100人以下 | 6人 | 12人 |
41人以上50人以下 | 5人 | 10人 |
31人以上40人以下 | 4人 | 8人 |
30人以下 | 3人 | 6人 |
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