エコ・プロジェクト協同組合

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岐阜県岐阜市薮田南4丁目10番4号

水環境改善の推進

日本の水環境

 日本は、世界でも有数の多雨地帯・アジアモンスーン地帯に位置しており、年間平均降水量は約1,718mm、世界平均降水量約970mmの約2倍と水に恵まれた多雨地域といえます。

 川や海に流れ込む水は、地表に降った雨水や企業等から出される「工場排水」のほか、一般家庭から出される「生活排水」があります。かつては、水質汚濁の主原因は「工場排水」でしたが、水質汚濁防止法等による規制や指導が強化されたことから、現在では7割の原因が「生活排水」といわれています。

 美しい景観・良好な水環境の形成には、汚水をきれいにしてから川や海へ流す「健全な水循環」を維持しなければならず、個人や企業の努力が必要不可欠となります。

汚水処理指数

 総務省では、毎年、下水道や浄化槽などによって衛生的に処理している人口割合を表した汚水処理指標(※)を公表しています。2018年の汚水衛生処理率は全国平均で87%となっており、2001年の汚水衛生処理率全国平均67%と比べると、かなり改善されたこととなります。しかし、依然として地域間格差があるのも事実です。

 組合員地域における汚水処理指標は次のとおりです。

地域 汚水衛生処理率(下水道処理率) 地域 汚水衛生処理率(下水道処理率) 地域 汚水衛生処理率(下水道処理率)
埼玉県 89.3%(78.0%) 山梨県 76.0%(59.1%) 滋賀県 94.4%(84.6%)
千葉県 85.7%(70.4%) 長野県 92.0%(77.8%) 京都府 95.1%(90.9%)
東京都 99.8%(99.5%) 岐阜県 83.1%(64.8%) 大阪府 95.4%(93.3%)
神奈川県 96.8%(95.5%) 静岡県 74.6%(57.8%) 兵庫県 96.5%(91.0%)
石川県 86.2%(76.9%) 愛知県 85.8%(72.5%) 奈良県 80.4%(74.0%)
福井県 89.2%(73.1%) 三重県 79.3%(48.4%) 全国平均 87.0%(74.9%)

(※)対象となる汚水処理方法は、下水道、農業集落排水施設、コミュニティ・プラント、合併処理浄化槽、漁業集落排水処理、林業集落排水処理、簡易排水処理、小規模集合排水処理など。

工場排水の処理

 「工場排水」は、廃水量が一時的であるものの、汚染物質(油分、有機物、懸濁物質、アンモニア、有害金属等)を含むことが多く、排水処理方法によっては水環境への影響が大きくなります。

 工場等から公共用水域への排出水に対しては、水質汚濁防止法によって全国一律の排水基準が定められています。なお、この排水基準により、環境基準を達成することが困難な都道府県では、全国一律の排水基準より厳しい基準(上乗せ基準)を条例で設定できるものとされています。

 近年の排水規制等によって一定の効果が見られる一方で、これらの規制の対象とならない小規模企業も多数存在しています。小規模企業については、費用や効果の面から排水規制にはなじみにくいものですが、導入可能な低コストでメンテナンスが容易な排水処理技術を、自主的に導入されることをお勧めします。

 汚染水や汚染物質を下水または河川へ流してしまう前に、日頃から水質の状態をチェックし管理する必要があります。水質検査には、水質検査機関等による専門的な検査が必要となります。

○ 水質検査機関、簡易専用水道検査機関(厚生労働省への登録機関)

世界の水需要

 世界で取水された水は、「農業用水」7:「工業用水」2:「生活用水」1の割合で使われているといわれます。特に近年では、新興国の急速な経済発展や人々の生活スタイルの変化に伴い、特に「工業用水」と「生活用水」の利用が急増しています。

 世界の水需要が増加する一方で、発展途上国では下水処理インフラの整備の遅れから、水質汚染が深刻化し、利用できる清浄な水の量が減少しています。

 さらに近年では、災害・復旧・復興に寄与する水や、地球温暖化によるヒートアイランド対策として散水等に使われる水、「防災用水」への期待も高まっています。

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