6月10日、駐日パキスタン大使館が主催し、JITCOが後援を務める、「パキスタン人材セミナーin名古屋」に出席いたしました。現在、パキスタン人の技能実習生や特定技能外国人は、国内で70人ほどです。セミナーでは、失踪者が1人もいないことなど、パキスタンから日本への送り出しの現状や、パキスタン人材の概要などを聞くことができ大変貴重な機会となりました。
パキスタンは、日本と同様に四季があり日本に馴染みやすいことに加え、公用語が英語であるため、英語でのコミュニケーションが可能です。また、母語であるウルドゥー語は、日本語の「つ」以外のすべての発音があるため、日本語が聞き取りやすいそうです。実際に、技能実習生が日本語を披露するプログラムがありましたが、確かに聞き取りやすいと感じました。パキスタン人は大柄な人が多く、建設業などでも力を発揮しやすいとのことでした。セミナーには多数の送出し機関のパキスタン人担当者の方が参加されていましたが、皆さんかなり体格が良く、これにはかなりの説得力がありました。加えて、パキスタンで定められている技能実習生が負担する手数料も約8万円程度と安価であり、技能実習生は日本で安心して働けそうです。
しかしながら、パキスタン人材を受け入れるにあたっていくつかの課題も存在します。最も切実なのは、特定技能を受け入れる際に、パキスタン国内で環境が整っていないことでした。現在パキスタンには、日本の特定技能評価試験が存在しません。そのため、特定技能制度で日本に入国するためには、スリランカなど他の国で評価試験に合格する必要があり、かなり困難な状況であると感じました。日本国内の技能実習生は59人で技能実習2号を満了した人がほぼいないため、国内での募集は絶望的です。また、「育成就労制度」についても、パキスタン政府の方針が決まっていないようでした。
以上のことから、残念ながら当組合は、当面パキスタン人材の取扱いはありませんが、今後、パキスタン側の環境整備や方針に目を向けていきたいと思います。
事務局 多賀井 哲也