実習実施者の責務

 技能実習を行わせようとする実習実施者は、技能実習の適正な実施はもとより、技能実習を行わせるための様々な環境整備を行う必要があります。

 

① 技能実習計画の認定

 実習実施者は、監理団体の指導に基づいて、受け入れようとする技能実習生ごとに「第1号」「第2号」「第3号」の区分を設けて技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構から認定を受ける必要があります。

特に「第3号」の技能実習計画に関しては、実習実施者の優良性が認定の基準となります。

 

② 実習実施者の届出

 実習実施者が技能実習を開始した時には、外国人技能実習機構に対して届出を行います。

 

③ 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の選任

 「技能実習責任者」は、自己以外の「技能実習指導員」「生活指導員」その他の技能実習に関与する職員を監督することができる立場にあり、欠格事由(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していないなど)に該当しないことが必要です。

 

 「技能実習指導員」は、修得技能について5年以上の経験を有する者が担います。技能実習指導員は、毎日、技能実習計画に従って技能実習生に指導した内容を「技能実習日誌」に記録します。

 

 「生活指導員」は、技能実習生の生活管理にも細かく配慮できる常勤の役職員を配置し、安全な生活を支援することが必要です。

 いずれも、常勤職員の中から選任します。

 

④ 養成講習の定期受講

 技能実習責任者は、平成32年3月31日までに主務大臣が告示した機関で「養成講習」を受講し、かつ、その後3年ごとに受講しなければなりません。技能実習指導員、生活指導員の養成講習の受講は任意ですが、受講した場合に優良な実習実施者の要件の加点要素となります。

 

⑤ 技能検定・技能評価試験の実施

 実習実施者は、技能実習生がどの程度技能を修得しているかについて、技能実習生が「第1号」「第2号」「第3号」の技能実習期間を終了する前に技能検定・技能実習評価試験を受けさせ確認する必要があります。これは、技能実習制度の趣旨が単なる労働力の確保ではなく、人材育成であるということからも強く求められる所以です。

 

技能実習(電子機器組み立て) 技能実習(食鳥処理加工)
技能検定試験(機械加工) 技能検定試験(機械加工)
技能検定合格による表彰  技能実習生の生活指導

技能実習生の待遇の確保

 技能実習生に対する報酬額が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であること、その他技能実習生の待遇が主務省令で定める基準に適合していることが求められます。

 主な留意点は、次のとおりです。

 

① 報酬額

 技能実習生と同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合は、技能実習生の任される職務内容や責任の程度がその日本人労働者と同等であることを説明した上で報酬額を決定します。

 

 同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合は、賃金規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から説明するほか、技能実習生の職務内容や責任の程度が最も近い日本人労働者と比べてどのように異なるかという観点から、説明を行うこととなります。

 

 なお、優良の認定を受けるためには、最低賃金を上回る報酬額とするなど、技能実習生の待遇に関し積極的な配慮を行う必要があります。

 

② 宿舎

 実習実施者は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなければなりません。また、適切な宿泊施設として、下記の事項が確認できることが必要です。

 

・危険物や有害物などを取り扱う場所の付近を避ける措置を講じていること

・2階以上の寝室に寄宿する建物には、容易に屋外の安全な場所に通ずる階段を2箇所以上(収容人数15 人未満は1箇所)設ける措置を講じていること

・適当かつ十分な消火設備を設置する措置を講じていること

・就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること

・個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及び採暖の設備を設ける措置を講じていること

・寝室については、床の間・押入を除き、1人当たり4.5m2以上を確保すること。

・食堂又は炊事場を設ける場合は、照明・換気を十分に行い、食器・炊事用器具を清潔に保管し、ハエその他の昆虫・ネズミ等の害を防ぐための措置を講じていること
・他に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場のない場合には、当該施設を設けることとし、施設内を清潔にする措置を講じていること

 

※入国後講習中の宿舎は、上記各号を備えた建物を監理団体が確保いたします。

 

技能等の到達目標(技能検定または技能評価試験)

 技能実習が修了したときに到達すべき技能等の水準として、「第1号技能実習」から「第3号技能実習」の各段階において目標を定めなければなりません。

 

 第1号技能実習の修了時においては、第2号技能実習に移行する予定がある場合には、技能検定又は技能実習評価試験の実技試験と学科試験の受検が必須とされ、基礎級への合格を目標としなければなりません。

 

 第2号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、3級の実技試験への合格を目標としなければなりません。

 

 第3号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、2級の実技試験への合格を目標としなければなりません。

 

区分〈期間〉

技能等の到達目標 受検時期 その他

第1号技能実習〈12ヶ月〉

技能検定基礎級〈技能実習評価試験 初級〉

終了4ヶ月前

実技試験+学科試験必須

第2号技能実習〈24ヶ月〉

技能検定3級〈技能実習評価試験 専門級〉

終了7ヶ月前 実技試験必須

第3号技能実習〈24ヶ月〉

技能検定2級〈技能実習評価試験 上級〉

終了2ヶ月前 実技試験必須

帳簿の備付け

 実習実施者は、次の帳簿書類を作成し、事業所に備えて置かなければなりません。
 保管期間は、帳簿書類の基となる技能実習が終了した日から1年間です。技能実習生が第2号までの3年間の実習を行った場合、第2号終了時から1年間、第1号開始時からの帳簿を備えて置く必要があります。

 

帳簿書類

① 技能実習生の管理簿

 ・技能実習生の名簿

 ・技能実習生の履歴書

 ・技能実習の雇用契約書・雇用条件書

 ・技能実習生の賃金台帳等労働関係法令上必要な書類
② 認定計画の履行状況に係る管理簿(訪問記録簿)
③ 技能実習指導の内容を記録した日誌
④ 法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める書類

 

※これらの帳簿書類は、機構が行う実地検査や主務大臣が行う立入検査の際にも提示できるよう適切に作成して備えておく必要があります。

 

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