有限会社テクニカル三友 ― 初めての技能実習制度利用から3年、特定技能制度活用でさらなる戦力に!
「面白いこと」を求めて邁進する情熱的な社風のもと、主に鉄道車両や航空宇宙産業向けの金属製品設計を手がける有限会社テクニカル三友では、2023年に2名の技能実習生の受入れを開始しました。そして、今年7月、その2名が同企業で特定技能1号へ移行します。
同企業と技能実習生は、どのように信頼を築いてきたのか。受入れの経緯や日々の成長、共に歩み続けることを決めた背景などについて、代表取締役の山田竜也様(左の写真中央)と、特定技能1号へ移行するKELVIN AVEGA ANDROMEDA(以下、KELVINさん、右の写真左)、IWAN GANGSAR FALAH(以下、IWANさん、右の写真右)にお話を伺いました。


インタビュー:代表取締役 山田 竜也 様
Q:技能実習生の受入れを決めた理由を教えてください。
人材の受入れを検討するなか、新しい風を吹き込み、会社の雰囲気を変えたいと考えていたとき、取引先企業から、「技能実習生はとても真面目で、現場の雰囲気が明るくなる」と聞いたことがきっかけです。たとえ言葉が完璧に通じなくても、なんとかなると思っていましたし、ジェスチャーでも気持ちは伝わると信じていましたので、特に不安に感じることはありませんでした。従業員も同じ気持ちで、不安よりも、インドネシアの人たちはどんな個性を持っているのだろうという好奇心の方が勝っていました。
Q:技能実習生が加わったことで、どのような変化がありましたか?
従業員には、とても良い刺激になり、思惑どおり現場が明るくなりました。技能実習生は飲み込みが早く、成長するスピードには目を見張るものがあります。もっと覚えたい、ほかの人に負けたくないという前向きな姿勢が強く、「教えてください」と貪欲に吸収しようとするエネルギーが、現場全体に活気を与え、指導員も喜びを感じています。また、会社のイベントが活発に行われるようになりました。もともとは食事会だけでしたが、親睦を深めることと、日本の文化に触れてもらうために、お花見やボーリング大会、釣り、登山など、企画の幅が広がりました。イベントであいさつをお願いすると、一生懸命日本語で話そうとする人もいれば、少し照れてしまう人もいて、一人ひとりの個性が見える瞬間がとても面白いです。
Q:指示がうまく伝わらない場面における、工夫や対処法はありますか?
教えたつもりとわかったつもりの両方を防ぐため、説明したあとには、必ず復唱してもらい、理解度を確認することを徹底しています。ほかにも、やさしい日本語でゆっくり話す、重要な手順は紙に書いて掲示するといった工夫を重ねています。日本人であれば言わなくてもわかるだろうと思うことでも、丁寧なコミュニケーションを意識するようになりました。
Q:日本語習得のため、取り組まれている支援はありますか?
日本語に慣れるため、社内のミーティングや会議に、同席してもらうようにしています。内容を全て理解できないとしても、共に働く一員として参加してもらうことが大切だと考えているからです。資料も内容が直感的に伝わるように配慮しており、意見を求めると、自分なりの考えを一生懸命答えてくれます。そうした日々の積み重ねが、語学だけでなく、帰属意識の向上にも繋がっていると感じます。
Q:特定技能へ移行する2名は、どのような存在になってほしいと考えていますか?
現場では既に中核を担っており、なくてはならない貴重な戦力です。教わったことを真面目に聞いて、何事にも前向きに取り組む姿勢には、まだまだ伸びしろを感じています。今後は、仕事の全体像をさらに深く理解し、特定技能2号も視野に入れ、できる限り長く働いてもらいたいと考えていますし、後輩の実習生を導くリーダーのような存在になってくれることを期待しています。
Q:外国人雇用に対する考え方や価値観に、変化はありましたか?
日本で少子化が進むなか、外国人材が欠かせない時代になっていると痛感しています。受入れ競争が激しい他業界でも、受入れが進むなかで、我々もその流れに遅れてはいけません。単に人材を増やすだけでなく、彼らが活躍できる体制づくりこそが、これからの経営には不可欠だと感じています。
インタビュー:KELVINさん、IWANさん(国籍:インドネシア)
Q: 特定技能1号として、引き続き同社で働くことを決めた理由を教えてください。
KELVINさん:日本人の先輩方がとても親切に接してくれて、職場環境が良いからです。同社でもっと多くの経験を積み、高い技術を身につけたいと考えています。
IWANさん:同社で3年間働いてきたので、作業の手順をよく理解しています。社員の皆さんもとても優しく、働きやすい職場です。溶接作業は自分の好きなことでもありますし、適性だと思っていますが、まだ経験不足な部分もあります。だからこそ、今後も同社で働き続けて、技術を磨きたいと思いました。
Q:日本でどれぐらい働きたいですか?
KELVINさん:日本で10年ほど働きたいと考えていますが、家族は私の意志を尊重してくれています。一旦、7月に一時帰国する予定なので、久しぶりに家族とゆっくり過ごしたいです。
IWANさん:日本で8年から10年ほど働きたいと考えていますが、家族は応援してくれていますし、両親もとても喜んでいます。
Q: 日本語は、毎日どれぐらい勉強していますか?
KELVINさん:毎日2時間ほど勉強しています。本を使って文法を学ぶだけでなく、SNSやテレビを見て、新しい漢字や言葉を覚えるようにしています。
IWANさん:仕事が終わって残業がない日は、1〜2時間ほど勉強しています。
Q: 日本語の勉強方法や使っている教材を教えてください。
KELVINさん:教科書を使うのはもちろんですが、SNSやテレビ、日本の歌、職場や普段の生活のなかで見かける漢字など、身の回りのあらゆるものから学ぶようにしています。また、仕事中にたくさん会話をするようにしています。積極的にコミュニケーションを取ることで、会話力が向上するだけでなく、新しい言葉をたくさん学ぶことができます。
IWANさん:日本のテレビ番組やアニメを見ることが好きで、楽しみながら日本語を学んでいます。映像を通して、自然な言い回しを覚えるようにしています。
インタビューを終えて(インタビュアー:事務局 田邊 慶一、飴山 皓)
取材中、実習生たちが時折見せる笑顔や、一生懸命に日本語で答えてくれる姿が印象的でした。「なくてはならない戦力」と断言する社長と、それに応えようと努力を惜しまない特定技能へステップアップする二人からは、技術への向上心と、会社への深い信頼が感じられました。技能実習から始まった縁が、さらなる未来へと繋がっていく、そんな力強い歩みを感じる取材となりました。今後も支援を通じて、新たなステージへと進む彼らの成長を温かく見守ってまいりたいと思います。