「週1日の休み」だけでは不十分? ― 労基法改正で見直される労務管理
多くの事業所では、週に1~2日与えている休みのうちの1日を、独自の判断で「法定休日」として扱っていないでしょうか。就業規則等において法定休日として特定していないこのような休日は、本来は「法定外休日」として扱われています。一方、現行の労働基準法の運用では、「週に1日以上の休日が確保されていれば、法定休日を特定していなくても、すぐには法令違反にはならない」と解釈されてきたことも事実です。
しかし、現在検討が進められている労働基準法の見直しでは、このような曖昧さを回避し、時間外労働や割増賃金の算定をより明確にする観点から、どの日を法定休日とするかを、あらかじめ就業規則等で特定することが求められる方向で議論されています。具体的には、「毎週○曜日を法定休日とする」など、就業規則やシフト表を通じて法定休日を明示しておくことが必要となります。
将来的な行政指導や労使トラブルを未然に防ぐためにも、今のうちから就業規則・36協定・シフト表も内容を見直し、その内容を従業員に周知するとともに、適切に管理できる状態に整えておくことが重要です。
■法定休日に関するトラブル事例
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賃金未払い |
法定休日に出勤した場合、適用される割増率は基礎賃金の25%(1.25倍)ではなく、休日労働の35%(1.35倍)となります。法定休日が特定されていないと割増率の判断を誤り、結果として賃金未払いが生じるおそれがあります。 |
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行政指導 |
労働基準監督署による臨検や、技能実習・特定技能制度に関する実地検査において、法定休日の特定が不十分と判断された場合、是正勧告や指導の対象となることがあります。その内容次第では、将来的な外国人材の受入れに影響を及ぼす可能性も否定できません。 |
■その他、注目すべき改正案の内容
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改正項目 |
内容 |
実務上の注意 |
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連続勤務の上限 |
連続勤務は13日以内とされる |
14日以上の連続勤務となるシフト運用は見直しが必要となる |
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勤務間インターバル |
勤務終了から翌日の始業まで、原則11時間以上の休息を確保する |
残業により終業が遅れた場合は、翌日の始業時刻の繰り下げなどの調整が必要となる |
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有給休暇の賃金 |
有給休暇中の賃金算定は通常賃金に一本化される |
算定方法の変更により支払額が変動する可能性があるため、事前説明が必要となる |
改正を見据えた、ゆとりある準備を
労働基準法改正案の国会への提出は2026年中、施行は2027年以降が想定されています。就業規則の改訂やシフト運用の見直しには一定の準備期間を要するため、制度変更が本格化する前から段階的に対応を進めておくことが重要です。
※本記事は、現在検討されている労働基準法改正案の内容をもとに作成しています。今後の国会審議等により、施行時期や具体的な内容が変更される可能性がありますので、最新の動向をご確認ください。