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外国免許切替制度 ― 厳格化の流れと新制度のポイント

 外国免許切替制度とは、外国で有効な運転免許を持つ人が、日本で運転免許を取得することを可能にする制度です。主な目的は、「海外で免許を取得した日本人の帰国後支援」や、「日本に長期滞在する外国人の生活の利便性向上」にあります。

 外国免許切替の申請は、全国の運転免許試験場で受け付けられています。一定の条件を満たすことで、学科試験や技能試験の一部が免除され、比較的スムーズに日本の運転免許を取得できる仕組みとして長年活用されてきました。

 以前は短期間で日本の免許を取得できましたが、申請外国人数の増加に伴い、審査や試験の予約待ちが長期化していることが大きな課題となっています。現在では、書類審査の予約に最大で約5か月、学科・技能試験の予約に最大で約3か月の期間を要することもあり、免許取得までに8か月以上かかるケースもあります。また、技能試験の合格率の低さや、試験1人あたりにかかる時間の長さも、予約の取りづらさに拍車をかけています。一部の運転免許試験場では、2020年ごろから、予約制に移行するなど運用が見直され、早朝からの行列や予約をめぐる争奪戦といった混乱は一定程度解消されつつありますが、「希望日に試験を受けられない」という不満の声は今も多く、根本的な改善には至っていません。

 

外国免許切替制度の厳格化

 近年では、外国人による交通事故の増加や制度の趣旨に反する利用の広がりといった問題が顕在化しており、特に、短期滞在者や観光客による利用の急増が問題となっています。中には、ホテルの住所を記載して免許を取得するケースもあり、日本の交通ルールを十分に理解しないまま運転する事例が増加していました。こうした状況を受けて、警察庁は202510月から制度の厳格化を実施する方針を発表しました。

 これにより、学科試験では、現行制度よりも難易度が上がり、50問のうち9割以上の正答率が求められます。加えて、技能試験の内容も現行制度の形式的な操作だけでなく、実際の交通環境に対応するための判断力や応用力が試されます。新制度は、日本語に不慣れな外国人にとっては、難易度の高い試験が課されることとなります。

現行制度 新制度(10月以降)
住民票 不要 必要
対象者 短期及び中長期滞在者 中長期滞在者のみ
学科試験 10問中7問正解(〇×式) 50問中45問正解(選択・記述式)
技能試験 発進・停止・右左折など、基本操作の確認

踏切や横断歩道での対応など、日本の交通ルールを重視した内容

 

円滑な免許取得に向けて

 制度の厳格化は、透明性や安全性の向上を目的としたものですが、申請手続きや免許取得までの所要時間に関する課題は、依然として残されています。今後、技能実習生や特定技能などの外国人労働者に対しては、早期の情報提供を行い、住民票などの必要書類の準備や、申請スケジュールの管理など、円滑に免許が取得できるようサポートが重要となります。

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